「璃里香ちゃん、確か高橋と接触してるよね、翔の従兄弟の」

「はい」 


翔さんと高橋くんが従兄弟ってことはいまだに信じられないけど。


「どこまで聞いた?」

「確か……元カノが忘れられなくて、酒が入ると女に手を出すって」

「そう。じゃ、それに補足しようか」


ケイゴくんは腕を組んで、あたしを見つめる。


「翔は、その直前に必ず俺にメールをよこす」

「ケイゴくん、うちわからへんのやけど。一体、翔さんはどうしたいん?」

「それは俺にもわからねーよ。たぶん、翔もわかってないんじゃねーかな」

「なんやの、それ」


なつははっきりしないことが嫌いだ。


こうならこう。好きなら好き。嫌いなら嫌い。そう言いきれる強さを持っているのだ。


「これは俺の憶測でしかねーんだけどな。翔は、ギリギリまで堪えてたんだと思うんだよ」


ケイゴくんは、ぽつりぽつりと話し始めた。