「璃里香ちゃんは酒弱いの?」

「お酒、飲んだことない……」

「はっ、まじ!? 19でまだとか、超希少価値!」


合コンも今日が初めてだもん。


いつもなつの誘いを断ってまっすぐ家に帰ってたし。


親もあんまり飲む方じゃないから、そういうのはまるっきり無縁だった。


今もウーロン茶かジュースしか飲んでない。


「飲んでみる? 俺の飲みかけだけど」

「へ……」


グラスに半分ほど入ったチューハイをあたしに見せてきた翔さんに、思わず変な声をあげてしまった。


いや、だって、それって……。


翔さん、今さらっと言ったけど、飲みかけって……。


か、間接…………


「あ、やっぱダメか。俺が飲ませてお持ち帰りしちゃったら、俺悪い人になっちゃうしね~」


一人でけらけら笑う翔さんのとなりで、あたしはあらぬことを考えてしまった。


いや、だって、お持ち帰りって……。


翔さんの口からそんな言葉が出てくるとは思わなくて、全身が熱くなる。


もう、やばい。


飲みかけ、喜んでもらうべきだった。


翔さんにならお持ち帰られ……か、考えない、考えない!!