「竜平、ご飯食べよー」



「……あぁ」





美女さんの呼ぶ声に、けだるそうに立ち上がる朝霧。




教室の入り口の所で、美女さんが嬉しそうに朝霧の腕に絡みついて。



そしてそのまま二人でどこかに消えてしまった。






「……大丈夫?」





佳乃が心配そうにあたしの顔を覗き込んでくる。




「っ大丈夫だよ!
さっご飯ご飯!」




あたしはそんな佳乃に無理矢理笑顔を作ってそう答えると、珍しく朝作ってきたお弁当を広げた。




「ど?これあたしが作ったんだよ?意外においしそうでしょー!」



「…葉純」




何か言いたげな佳乃に気付かないふりをして、ひたすらお弁当を口に運んだ。