「どこ行くの?」




前を歩く朝霧にそう問う。





「…まぁ行きゃ分かる」


「それはそうでしょうけども」

「いいからついて来いよ」






それから電車に少し乗って、着いた先は。






「…ゆ、遊園地っ!?」


「…鉄馬にチケット貰ったから。余ってるって」




鉄馬っていうのはあたしと朝霧と同じクラスの、柳沢鉄馬(ヤナギサワテツマ)のこと。


あんまりクラスの人と喋んない朝霧だけど、柳沢と一緒にいるのはよく見る。


ちなみに柳沢も朝霧と一緒で、授業にはあんまり出ない。




「ありがとうございます柳沢くん…!」


「…好きか?遊園地」


「大っ好き!!」




満面の笑みでそう答えると






「…そっか」





フワッと柔らかく、朝霧が笑った。





「……!!」




あ、朝霧もこんな笑い方するんだ…!






「あ?何固まってんだよ」


「え!?
いっいや別に!!」


「…まぁいいけど。行くぞ」




朝霧があたしの手を取る。




手なんて、ほぼ毎日繋いでるのに。





(…な、なんかドキドキする…!)





て、手汗大丈夫かな…!?