「…お、お前さ」


「うん?」





いつものように朝霧とご飯を食べる昼休み。




朝霧がいやに上擦った声で話し掛けてきた。





「明日暇?」


「明日?」





明日は土曜日。


特に友達と遊ぶ予定もないし





「暇だけど?」





メロンパンをモグモグと咀嚼しながら頷くと





「…じゃぁ、ど、どっか行こうぜ」


「…え」


「…嫌か?」




じっと、不安げにあたしを見つめる朝霧。




「…い、嫌じゃなない、よ…」




思わずそう返事していた。






「…マジ?」


「うん」


「…あそ」





素っ気ない口調とは裏腹に、朝霧の口元は嬉しそうに緩んでいて。




……あたしまでなんだか嬉しくなった。