「・・・なんか、あるだろ。」
「ふえっ?!」
―――何をこの人は言ってるの?
鳴海には全く意味が分からなかった。
「えっ?! あたし、なんにも持ってないし・・・!!」
「そう言う事じゃねぇよ。」
「?????」
「お前、悩み…あるだろよ。 言ってみろよ。」
「なっ、悩みなんて!!! ん、ないよっっ??」
鳴海は手を大きく左右に振って全力で否定した。
「嘘つけよ。 今日はずっとなんかいつもと違った。 第一、あんなに大好きな先生を目の前にしてまで顔が暗かったし。」
「・・・・・!!!!」
みるみるうちに顔が赤くなってしまった鳴海。
いつもの上杉ならここでその変化した顔をからかうところだが今の彼は全く無関心といった様子だった。
「俺、口固いけど。」
ふいに鳴海の目が赤くなった。
「うっ、うぅっ、うっっっっ!!!!」
「・・・。」
「・・・・うわぁぁぁぁぁぁああああん!!!!!」
目からこぼれる大量の涙。
―――気づいてたんだ。
―――このひとに隠すは必要ない。
「・・・・。」
黙って見守る目はどこか優しい。
「うぅっ…あ、あのね゛っ…」
「・・・・。」
「…あた゛し、伴奏やっちゃいけないの゛っ!!!」
―――だめなの。
―――みんなに申し訳ない。
―――けど・・・・・・
