曇りのち友情、時々恋





「ちょっとすみません!! 一旦落ち着こう!!」

この凍った空気を溶かそうとしてくれたのはもちろん来田くんだ。

「上杉くん… 確かに、上杉くんの言ってることが最もだと思うよ? 野桜さんもそこはいいかい?」

あたしは小さくうなずいた。

「でも、上杉くんは少し言いすぎだ。 せっかくいい事言ってるのにキレる事はないと思うな。」

うつむく上杉。
軽く舌打ち・・・。

「それから、先生も本人の意見も聞かずに決定してしまうのはよくないと思います。それではほとんど強制じゃないですか。」

「あ…あぁ、悪かった…。」

「で、最後に聞くけど前岬さんは実際指揮者をやりたいと思ってるの?」

「・・・・・・・。」

どうしたらいいか分からない・・・

やりたいのか・・・
やりたくないのか・・・

さっきは本当にやりたくなかったのか・・・・

ただ単に自分に自信が持てなかっただけなのか・・・・

わからない・・・・。

「無理しなくてもいいよ。 せっかく滝浪さんが推薦してくれたけど本当にやりたくなかったら僕がやるし・・・・」

・・・!!

いや、あたしこれやりたいんだと思う!!

なんかさっき任された使命みたいなものなのかな?

ちょっとこれやり遂げたらカッコいい気がしてきた・・・!!

あたし、クラスのために頑張りたい!!

今までこんなことしたことなかったけど・・・・・・・