「そろそろ帰らなきゃ」 窓の外を見ると辺りはもう暗くなっていた。 というか、先生とか見回りしてなかったのかな? 普通この時間まで生徒が残ってたら起こすよね。 起こしたけどあたしが爆睡してて起きなかったとか? 「うーん……」 とりあえず帰るしかない。 肩にかかっていた隆太くんのジャージをたたんだ。 このジャージは洗って明日返そう。 そう思いながらジャージを見つめる。 こんな優しいことされたら。 「隆太くんのことがもっと好きになっちゃうじゃん……」 一人教室で呟いていた。