あたしはバトンを持って走った。 ただひたすら。 みんなで頑張ったんだもん。 転んで血も出てても、リレーの心配をしてくれた。 ここであたしが諦めちゃだめなんだ。 一人……二人…… どんどん抜かしていく。 あと一人…… 最後の力を振り絞って走り切った。 「……遠野さん、一位でゴール!」 あたし、一位でゴールしたの……? 「琴葉っ」 佳奈美が抱きついてきた。