「わぁ……っ」 そこには、ずっとほしかった白とピンクの時計。 『琴、誕生日おめでとう』 「えっ」 電話から、隆太くんの声が聞こえた。 『それ、俺からのプレゼントだから』 「忘れたんじゃなかったの……?」 だって、さっき隆太くんはそう言ってた。 『忘れるわけないだろ。琴、ずっとその時計欲しがってたしな』 そう。 ずっとこの時計がほしかった。 だけど勉強で忙しいから、時計を買うためのバイトもできない。 「でも、あたしたぶん1回しか言ってない……」 それもかなり前だった気がする。