「じゃあ、あたし達はこれで」 そういうと、佳奈美たちは帰っていっちゃって。 あたしと隆太くん、二人きりになった。 「下野たち、行っちゃったな」 「……きっと気を利かせてくれたんだよ」 「そうだな」 久しぶりに聞く、隆太くんの声。 少し低くて、だけど優しいあたしの大好きな声。 「隆太くん、ごめんなさい」