俺は情けなくなった。


「本当にごめん……」


たった一人の大事な彼女も守れないなんて。


下野に言われてすぐに行けば、琴はこんなのことにならなかったかもしれない。


そう思うと、込み上げてくるのは後悔ばかりで。


「琴……」


そういって、手を握ると琴の手が握り返してきた気がした。


「琴!?」


下げていた頭を上げて、琴の顔を見る。


「隆太くん……」