「隆太くん大好きだよ!」 「はいはい」 いきなり抱きついたあたしを、しっかり抱きしめ返してくれた。 そのぬくもりが温かくて。 「で、俺の昼は?」 そうだ、すっかり忘れてた。 もちろん隆太くんはなにも持ってない。 つまり、この場にある食べ物といえばあたしのお弁当だけで。 「あたしの半分でよければ……」 そう言って、弁当を差し出す。 「足りないけど、いい」