「そろそろ戻るか?」 少しして、隆太くんが言った。 「……忘れてた」 今、文化祭の途中なんだ。 お店勝手に抜け出してきちゃった…… 「忘れてたって、俺を連れてきたのは琴だろ」 だって、ヤキモチ妬いてたもん。 周りなんて気にしてられなかったから。 「それは関係ない」 「関係あるもん!」 「いいから行くぞ」 言い合いをしているうちに、隆太くんに腕を引っ張られる始末。 戻りたくないよー……