「秋山くーん……あたしと抜けない?」 ちらっと聞こえた声。 聞こえた先を見ると、奥の席で隆太くんを上目遣いで見つめる女。 「それは無理ですね」 さらっと答える隆太くん。 「えー……だって、あたし秋山くんが好きなんだもん」 ……見てりゃ、あたしでも分かるっつーの。 「そろそろ仕事があるので……」 どうにかしてその場から離れようとする隆太くん。 「客のお願いだよぉ~?」 そんな隆太くんを全く離そうとしない女。