「琴」


「パパなんて知らないし!」


「おい」


「早く忘れなきゃあんな人!」


「琴!」


隆太くんに名前を呼ばれて我に返った。


あたし、感情的になって……


「……泣けよ。抱きしめてやるから」


「……っ」


隆太くんの腕の中がすごく心地よくて、涙が一気に溢れてきた。