次の日、朝起きるといつもの優しいパパがいた。 「琴葉、いってらっしゃい」 優しい笑顔といつもの声。 昨日のパパの面影はもうどこにもなかった。 それからしばらくあの日みたいなパパは見なかった。 だからママも安心してたの。 いつもの優しいパパに戻ってくれたって。 あたしだって安心してたんだ。 ……あの日のことが序章にも過ぎなかったことを知らなかった。