そして、待ちに待った放課後。
運の悪いことに、今日は日直だったあたし。
黒板消しとか日誌とか、とにかく放課後にも仕事があった。
クラスの子が帰っていく中、隆太くんだけは残っていた。
それだけで嬉しかった。
「隆太くん!」
「……行くか」
日直の仕事も終わって、帰る準備も出来た。
そして、二人で教室を出る。
一言も話さないあたし達。
寂しいけど、でもやっぱり幸せだった。
こうやって隆太くんの隣を歩けるなんて、入学当初のあたしには想像もつかなかったから。
――だから、私は忘れていたんだ。
今この時間が幸せすぎて、2年前のことを……


