「遠野」


「は、はい!」


隆太くんが急に呼ぶから、声裏返っちゃったよ。


「どういうことか説明してもらおうか」


そう言って笑顔の隆太くんに引きずられて連れてこられたのは、誰もいない空き教室。


笑顔だけど、目は笑ってないよね。


あまりの迫力に正座になってしまう。


「えーっと……」


なんて説明すればいいものか。


悩んでいると。


「……どうせ、琴のことだから表情でバレたんだろ?」


溜息をつく隆太くん。