「なん、で……?」


飛び出していったはずの隆太くんがいた。


「話がある」


そう言う隆太くんが、いつもよりさらにあたしをドキドキさせる。


「ほら言ったじゃん。いい方向に動くって」


どういうこと?


「こっち来い」


あたしの腕を引っ張る隆太くんの手が、少し熱いことに気付く。


よく見ると、少し息がきれている隆太くん。


まさか走ってきたの……?


あの人とうまくいったんじゃないの?


もう分かんないよ……!