「あの子に対する気持ちの正体、もう分かってるでしょ?」 いきなりそんなことを聞く沙織さん。 「え、それはどういう……」 「見てれば分かるわ」 遠野琴葉。 周りなんか気にせず、まっすぐに想いをぶつけてきて。 そのくせ自分のことは、一人で抱え込んで。 いつも自分より人のことばっかりで。 誰にも絶対に弱さを見せようとしなくて。 そんなあいつだからこそ…… 「俺……遠野が好きです」