沙織さんも俺を必要としてくれている気がして。
「ずっと一緒にいよう」
俺と沙織さんは、これからもずっと一緒だと思っていた。
だけど、沙織さんと出会ってしばらくして。
「夫から、連絡があったの……」
声は切なくても、どこか嬉しそうな沙織さんを見て思ったんだ。
“俺は沙織さんの一番じゃない”と。
それでも、分かっていても沙織さんが好きだった。
たとえ、沙織さんが別の人を思っていても。
沙織さんに必要とされてるのが嬉しかった。
けれど俺は忘れてたんだ。
……俺がなにもできない中2のガキだってこと。
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