無愛想なキミが大好きです!


そのときの沙織さんの涙があまりにも綺麗過ぎて。


「俺が傍にいます」


ガキのくせに沙織さんを抱きしめていた。


なんでだかは分からない。


今思えば、ただ泣いていただけの初対面の人なのに。


……今もそのとき、どうしてそんな行動に出たのかは分からないけれど。


そして沙織さんに話を聞くと結婚式直前に夫の浮気が発覚。


言い合いになって家を飛び出してきた沙織さん。


「私がもっと心が広ければよかったのよね」


って泣きそうに言う沙織さんを守ってあげたくなった。


その日から、毎日をあの公園で共に過ごして。


俺が普段学校に行ってるときには沙織さんはどこかのホテルに泊まってるから、会えるのは放課後だけだったけど。


……沙織さんに惹かれる俺がいた。