沙織さんと約束したカフェはよく二人で来た場所で。


「隆太」


今と同じように俺の後から沙織さんが来てたっけ?


「沙織さん、話って?」


久しぶりに間近で見る沙織さんにドキっとした。


「あの日のこと、謝りたかったの」


目を伏せてそう言う沙織さん。


……あの日、俺は裏切られた。


「本当にごめんなさい」


なぜがろうか。


ずっと考えたくなくて、忘れたかったことなのに。


「話、聞かせてもらえますか……?」


今なら、素直に受け入れられる気がしたんだ。