複雑な気持ちで、その彼女と別れて隆太くんの元へ戻る。 ……渡された紙切れを握りしめて。 「隆太く「さっきはごめん」 いきなり謝る隆太くん。 なんで謝るの? 隆太くんはなにも悪いことなんてしてないのに。 あたしのことほっておいて、あの女の人と話してたから? 「別に、大丈夫だよ」 「……今日は、もう帰ろうか」 そう言って出口に向かう隆太くんは、ここに来たときとは違った。 あの人と会ってから元気がなくて。 「あの、ね……」 どうしても元気を出して欲しかったの。