あたしの答えの丸付けをする隆太くん。


……隆太くんは、あれから開明のことに触れなかった。


たぶん、隆太くんなりの気遣いなんだろうな。


あたしにとってはその優しさがすごく嬉しい。


「遠野」


全部丸がついているノートをあたしに返しながら、隆太くんが名前を呼ぶ。


「なにー?」


「……遊園地、行くか?」


「え?」


ぼそっと言った隆太くん。



「いや。気にする「行く行くー!」


あまりの驚きに声が出せずにいたあたしのことを、聞こえてないと勘違いしたみたいだけど。


「ちゃんと聞こえてるもんねーっ」