あたしの答えの丸付けをする隆太くん。
……隆太くんは、あれから開明のことに触れなかった。
たぶん、隆太くんなりの気遣いなんだろうな。
あたしにとってはその優しさがすごく嬉しい。
「遠野」
全部丸がついているノートをあたしに返しながら、隆太くんが名前を呼ぶ。
「なにー?」
「……遊園地、行くか?」
「え?」
ぼそっと言った隆太くん。
「いや。気にする「行く行くー!」
あまりの驚きに声が出せずにいたあたしのことを、聞こえてないと勘違いしたみたいだけど。
「ちゃんと聞こえてるもんねーっ」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…