遠野の運動能力とこの頭脳なら、開明高への進学だって余裕なはず。


むしろこれだけできる生徒を、学校側だって手放さないだろう。


なのにどうしてこの学校に……


だけど、開明中の話をすると突然顔色が悪くなった遠野。


「遠野?」


「なんでもないよ!勉強しよっか」


体育祭の次の日と同じだ。


元気に振舞おうとしてるけどどこか切なそうで。


「なにかあったら相談に乗るから」


俺は勝手にそんなことを言ってたんだ。