俺が特別講師をすると知ったらしい遠野は急いで走ってきて。


そんな姿にまたドキっとした。


なんだ、これ……


俺まで遠野のバカが移ったか?


はじめは半信半疑だったが、本当だと分かると。


「隆太くん大好きー!」


……この様だ。


だけど、こんなことを普通に言うこいつが。


前まであんなにウザいと思っていたこいつが。


……こんなにも俺の中にいる、なんて。


俺には、確かに遠野に対する今までとは違う感情が芽生えていたんだ。


俺はまだそれがなんなのか気付いていなかった。