「弥生‥‥聞こえてるの!?」


弥生の手が、杏の手を握って、泣いていた。


大粒の涙が、溢れてた。


聞こえるハズなんてないのに、目も覚ましてないのに、弥生の目からは涙が流れてた。


「弥生ぃ‥!聞いててくれたんだね?これからの事は‥弥生が決めなよ‥‥?苦しかったら、やめてもいいんだよ‥‥?」


自分の気持ちに嘘をついた。


やめてほしいわけない。


弥生が苦しい思いしてでも、生きててほしかった。


「また‥‥来るね?」


そう言って部屋を出た。