一行に弥生の病状は良くならなかった。


ただひたすら、寝てるだけ。


杏は、弥生のお母さんから思いもよらない事を告げられた。



「弥生はね、もう生きられない。お医者さんに言われちゃったの」


生きられない?


でもおばさん、笑ってるじゃん。



「弥生、もって一ヶ月だって」



言葉も出なかった。


“死”という言葉が頭の中を駆け巡って、そこにずっと立っていた。


立っていたんじゃない、動けなかったんだ。


ふらついた足で、弥生のいる所へ行った。