『そうだよー』とか『さっきのは嘘だよー』とかの言葉を勝手に期待してた。


弥生が首を横にふる。


「私は‥‥ガンなの‥‥ガン自体は治らない病気じゃないの‥‥でもね?私、末期だから」


ガン?弥生が?


「あと一年くらいしか生きれない」


少し笑って言う弥生を見て、涙が出てきた。


泣きたいのは、弥生のハズなのに。


「杏にできる事は‥‥ある‥?」


自分では何もできないのはわかってたのに、『必要だ』と言われたくて思わず聞いてみた。