『杏』


後ろでユウの声がした。


振り向いたけど、誰もいない。


『杏、死なないで‥俺には、杏が必要だ‥』


ユウの声だけが聞こえる。


言われたら、何だか『死にたくない』って思ったんだ。


『私だって‥死にたくないよォ‥‥もっと‥もっと‥生きて‥ユウと一緒にいたい‥‥もっと‥もっと‥想い出つくりたい‥‥私にも‥ユウが必要だよ‥‥!』

『じゃあ、おいで。今度は絶対、杏を守るから‥!』

『うん‥!』