「絶対おとすから!ユウ!!」


名前で呼んだからかな。


背を向けて歩いていたユウが、少し振り返ったんだ。


でもすぐにまた背を向けて、片手をあげたんだ。


「じゃーな!杏!!」

「杏じゃなくて、杏李!」

「名前長いの!」


こうして“ゲーム”は始まった。