「ねぇ、ねぇ、起きて」

誰かに体を揺さぶられるような感覚に陥った。
いったい誰だろう、私の睡眠時間を邪魔しやがって。

などと多少怒りを覚えながら私はゆっくり瞼をあけた。

「あ、起きた。」

制服を見る限り2年生だが、
顔を見ると1年生に見える。
童顔なのだろうか。

「おはようございます。」

適当に挨拶して、
私は座った。

「おはよーじゃないよー。今授業中」
「そういう先輩、授業はどうしたんですか?」

実は、この先輩副会長だったようなきがする。
などと、やっぱりまたもやどうでもいいことを一生懸命考えていた。

「俺は、いいのー」

「よくないです。」

「ね、名前は?」

「あたし、千尋」

「千尋ちゃんね、俺は晴翔」

「(男で晴翔?聞いたことない)」
私は笑いだしそうになるのを必死にこらえながら平静を装った。

が、先輩にはお見通しのようだった。

「男で晴翔っておかしいって思ってるでしょ?まったく失礼だな、千尋ちゃんは」

「そんなことないですよ、」
と言おうとしたが笑いがこみ上げてきてそれを阻止しようとする。

難しいな、やはり。

少し黙ってみるのもいいかもなどと思うけれど、
やはり無理で、
私はしゃべることにした。