今、陽菜の手を離したら夢みたいに消えてしまいそうだったから



「…わかりました。傍にいます」



陽菜はそう言うとベットの横にある椅子に腰かけた



「ごめんな」



「何を言ってるんですか…傍にいますよ私は」



「そういえば陽菜、俺はどこを怪我したんだ?」



「……」



「陽菜?」



陽菜は何も言わない



右腕には包帯が巻かれている



「陽菜?」



「…っ…」



「陽菜?何で泣いてるんだ?」



何も言わずに陽菜は泣いていた