「うっ……」


目の前には陽菜がいた



心配そうにこちらを見ている



「先輩?」



「俺…」



俺、どうしてこんな所にいるんだっけ…



「先輩、大丈夫ですか?先輩は子どもをかばって階段から落ちたんですよ」



「あ……」



そうだったな…



俺、階段から落ちたんだったな



「私、医師呼んできますね」



そう言って病室を出ようとする陽菜の手を強く握った


「行くな…」



「…え?」



「お願いだから」