野球少年に恋をした。




「…陽菜ちゃん…」



私は何も言えなかった



今、何かを言えば泣きそうだったからだ



「…陽菜ちゃん…」



そう言って、近づく先輩



だめ!



顔、見せられない!



「来ないでっ!」



気づいたらそう叫んでいた


「お願いだから…来ないで下さい…」



私は先輩に背を向けてそう言った



涙が頬をつたう



「………」



先輩は何も言わずに、こちらに来る