・・・・秋

「ちょっと、菜津子!アタシの悪口言いふらしたってマジなわけ?!」

倉本さつき(くらもと さつき)。
気は強く、おせっかいな性格。

「はぁ~?何キレてんのー?わけわかんなぁい。大体、言われる方が悪いんだしぃ。さつき性格直しなよ~。ねぇ、暖音ー」

示野菜津子(しめの なつこ)。
マイペースで唯我独尊な典型的なB型。

(え・・)

「あの、、えっと、、私は・・。ゴメン!菜津子ちゃん、さつきちゃん。今日は一人で帰るね!バイバイっ」

東雲暖音(しののめ ののん)。
純粋で鈍くさい、中3にしては珍しいタイプ。

「暖音?!」

2人の呼ぶ声を避け、暖音は鞄を抱えて教室を走り去った。

(なんで・・喧嘩しちゃうの?)
(気の強いさつきちゃん、マイペースな菜津子ちゃん、鈍くさい私)
(中学の3年間ずっと同じクラスで仲良しだったのに)
(さつきちゃん、、菜津子ちゃん、、喧嘩した原因はどうであれ・・)

「“喧嘩した原因はどうであれ、2人には仲直りしてもらいたい”って。キミ、そう思ってる?」

「?!」

突然自分の思っていたことと同じことを誰かが呟いた

「あぁ。ゴメン、ゴメン。“キミ”じゃなくて、東雲暖音ちゃん。だったね」

(誰・・・?)

中学1年か、小学6年くらいの男の子がブロック塀の上に座り暖音を見下ろしている。

「僕はゼロ。キミの“仲直りしたい”って思い、願い事だよね?」

棒つきキャンディを手に無邪気な笑顔で問いかけてくる

「そう、、だけど・・・」

フフッと短く笑ってゼロと名乗る少年はブロック塀を飛び降り暖音の目の前に立った。
149cmの暖音より少し背が高い、155cmくらいだろうか。
童顔で可愛らしい顔立ちでキャンディの甘い香りがしっくりくる。

「なら、コレあげる」

(?・・ノート?)

随分アンティークっぽいノートだ。

「それに夜、願い事書いて朝開いてみてね♪」

「えっ?これッ・・あれ?」

使用方法(?)を言い残し、ゼロは消えていた。

「願い事・・」