「あの、千奈さんなんですか?」
「あなた…わたしのこと覚えてないの?」
「えっと、はい…そうみたいで…」
「そっか…」
そうつぶやいた千奈さんの顔は少し微笑んでいるようにみえた。
「あの、わたしと千奈さんの関係って…」
「あぁっ、んとね?わたしと春樹ちゃんは…親友よ?じゃ、自己紹介しなくちゃっ!」
「すいません、忘れてしまって…」
「いいのよ?わたしの名前は千奈よっ♪そして、祥大の婚約者っ♪」
ぇ…祥大の婚約者…?
祥大は、わたしと付き合ってるんでしょ?
「あの…わたし…祥大と付き合ってるんじゃ…」
「なにいってるの?祥大は、遊びだって言ってたわ?」
え…そんな、じゃぁ…やっぱり…
「じゃ、そう言う事で…またねー。」
千奈さんは、その場を去っていった。
わたしも戻らなきゃ。

「春樹!お前どこにいたんだよ。」
「え?あ、ちょっと…ごめんね、」
なんで?祥大は、遊びで付き合ってるの?祥大は、わたしが記憶喪失なのを利用したの?
違うよね?祥大…ほんとに付き合ってたよね?
「春樹…お前、泣いてんの?」
「ぇ?泣いてないよ?」
でも、わたしの目からは涙が流れていた。
「お前、嘘つくのやめ「ごめんね」」
祥大…ごめんね。
でも、今は気持ちの整理したいの…

その一言を言うと、わたしは一人でバスの中に入って行った。

その後、祥大ものってきた…
でも…
「なぁ、田中。席変わって。」
「ぇ?あ…いいけど?」
…やっぱ、わたしは遊びだったのかな…
千奈さんの言ってること…ほんとなら、
自分から別れようって言うべきだよね?
よし!帰ったらすぐに、言おうっ!