場所は変わって…
ここは京都内にあるホテル。

わたしは、自分の部屋にいるはずなのに…
いやてか…みんな、自分の部屋にいるはずなのに…なんで、なんで…わたしの部屋には…女子じゃなくて…男子の…
「祥大がいるの?!」
「は?いちゃ悪い?」
「い、いちゃ悪い?って…」
悪いに決まってるでしょーがぁぁぁ!

「だって、お前友達いないみたいだし…俺といたいだろ?」
な、余計なお世話だし!
それに…
「ナルシスト発言やめてくださーい。」
「記憶がなくなっても…言うことは変わりないな。お前…変わんねぇな。」
そ、そうだった…わたしってば、記憶がなかったのに…こんな、普通に接しているなんて…
まさか、記憶が戻りつつあるのかもっ☆


コンコン…


「誰?……千奈。」
「んー?どーしたの?」
「あらぁ、ご機嫌よぉっ♪久しぶりねー、春樹ちゃん。」
誰?この美人な人…この人はわたしのこと知ってるみたいだけど…わたしは、わたしは…
「覚えてない…」
「はぃ?春樹ちゃんなにを言って「帰れ。自分の部屋に戻れ。」」
すると、千奈さんって人は部屋から出て行った。
「春樹…大丈夫か?」
「うん!大丈夫っ♪」
祥大は、わたしの頭をなでなで優しく撫でてくれた。

ほんと、優しいんだか…俺様なんだか…
わたしは、好きなんだよ…そんな所が…

って、あれ?
わたしってば…祥大のことやっぱ思い出しつつあるのかも☆


にしても…さっきの千奈さんて誰だろ…

「千奈のことは気にすんなよ。」
「あ、はぁい…」
そうだよねっ♪せっかくの見学旅行だしー☆


「なぁ、行こうぜ?」
「あ…うん!」
そうして、わたしと祥大はホテルを出た。