そして、わたしの前に差し出された…見た目から美味しそうなフレンチトースト。
どこか、高そうなホテルにありそうな…それくらい、美味しそうなフレンチトースト。

「いただきます!」パクッ
………
「ぉ、おいひぃぃ」
「ふっ…でたでた。春樹のおいひぃ。お前はおいしいって言えないのかよ。」
「いやいや、言えるけど!ってかほんとおいしいっ!祥大神様だよぉっ」
「知ってる。」
…でたでたぁ、俺様ナルシスト発言この発言さえなければ完璧なのに。
「ってか、早く食え。千奈とアヤメ待ってっから。」
「あ、はぁい。」
そういえば、千奈さんの存在忘れてた…今、わたしが会いたくないランキング一位の人だもんなぁ…

こうして、急かされなんとか完食したフレンチトースト…
もっと、味わって食べたかった!


でも、祥大は急いでるらしいから…
「ほら、行くぞ。」
「わかってる!」
祥大のバイクであの大きなショッピングモールへ急いだ。
ってか、高校生がバイクに乗ってもいいのっ?!

でも、この時は一番好きな瞬間…
だって…祥大に密着できるから…////
祥大の後ろ…わたしだけ知ってるわたしだけの特等席…////
ちょっと、さりげなく祥大に回してる手の力を強くした…祥大にばれないように…////


「ほら、着いた。」
「……。」
まだ、離れたくないなぁ…
離れたら…祥大が千奈さんと仲良くするんじゃないかな?とか…
「春樹?どした?離れてくれないと俺もおりれないんだけど?」
「…ゃだ…離れたくない…」
って…わたしはなにをやってるのっ?!
こんな、わがままダメでしょっ/////
絶対嫌われる…
「はぁ…」
ほらため息…めんどくさいって思われてるよ…絶対…
「お前さ…なにかわいいこといってんの?このまま家帰るっ?」ニヤッ
この笑みはなにか企んでるっ!!
ダメだ!2人でいたいけど…帰ったら絶対犯されるっ!!
「け、結構ですっ/////」
「ふっ…顔真っ赤。俺と離れたくないなら帰ってもいいんだよ?」
「離れたくないけど…/////」
「けどなに?」
「……/////」
祥大のドS発動中…
「くっついてたいなら、買い物早く終わらせよーぜ。ってか、買い物中は手離さねーけど。だから、おりよーぜ?」
「う、うん…」
祥大は、小さい子供をあやすように…
わたしに言い聞かせ、わたしは渋々バイクから降りた。

「ほら、行くぞ?」
そうして、さりげなくわたしの手を取って握ってくれた。

もちろん…恋人繋ぎで。

「祥大ぁ!その子が彼女?」
綺麗で透き通った声…
「あ!春樹ちゃん!」
聞き慣れた新しいわたしの友達の声…
ということは、
おそらく…綺麗で透き通った声の持ち主は…
「千奈っ!」
そう…千奈さん。