「んん…」
目が覚めると…
目の前には、白い部屋が広がっていた。

そして、真っ正面には…
ウェディングドレス姿のわたし…

「え?!」
わたし?!!
「ふっ、やっと目が覚めたか…」
ぇ?この声って…
「祥大?」
椅子から立ち上がり振り返ると…
そこには、大好きな彼…
祥大が、立っていた。
祥大をみた瞬間涙が溢れた。

「祥大だ…祥大だぁ…」
気づいたら祥大に抱きついていた。
「泣くなよ、泣き虫。俺以外に誰がいるんだよ。」
「だって、祥大に捨てられたと思ったからぁ…うわぁーん…」
「ほら、泣いたらメイク落ちるぞ?」

嘘みたい…
祥大がわたしの目の前にいるなんて……
「ひっく…」
「泣き顔しかみてねぇんだけど?笑えよな?俺はお前の笑ってる顔が好きなの、わかる?」
「ぅん、ぐすっ…」
「だから、泣き止めって…」

とりあえず泣き止むことにした。
そして、わたしは聞きたいことを聞くことにした。
「ねぇ…わたしのこと許してくれてる?」
「は?許すもなにも、怒ってすらいねーよ。怒る理由は?って、俺は春樹不足でまじ死にそうなんだけど…」
祥大は、そういうとわたしの首に顔を埋めてくる。
「んん////」
祥大の息が首に掛かって、なんだかくすぐったい…

って…
「え?!ってことは…騙されてたってこと?」
「ぇ?今更?そうだけど…」
「じゃ、じゃぁ…瑞稀くんと祥大が喧嘩したのも?」
「そう。」
「もしかして、姫ちゃんも知ってた?」
「あぁ、姫も手伝ってくれたよ。」

そぉいえば、このドレス…
「わたしが選んだドレス……」
「な?お前好みの一つくらいはって思ってなぁー。ま、このドレス…絶対選ぶと思ってたけど…姫なら、すんなり聞いてくれると思ってな?」

わたしってば、つくづく心が狭いと思う。だって、姫ちゃんのことを姫って呼びすてしてるのが…わたしは嫌で仕方ない…これってヤキモチっていうのだろう…

「なした?」
「姫…」
「は??」
「姫ちゃんのこと…姫って呼んじゃやだ…」
あー、なにいってんのかなぁ?わたし…

「…やだっていったら?」
「やだ。」
「意味わかんねー。ほんと…可愛いやつだな。わかった、言わねーよ。その代わり…久しぶりにお前からキスすれよ。」
「え?キスっ?!」
「あぁ♪」

明らかに祥大は楽しんでる顔をしている…
「しないなら、姫って呼ぶぞ?」
「するから、目閉じて!」
「はいはい。」

ちゅっ…

わたしは、祥大の唇に触れるだけのキスをした…
「短いけど?」ニヤッ

「そんなこと、ないけど/////」
「ある。キスっていうのは…」

コンコン…

「ちっ、はい。」
「……/////」
「春ー!ごめんね!騙しちゃった♪」
「赤城ごめんな?」

瑞稀くんと姫ちゃんが部屋に入ってきた。
「二人とも酷い…」
「おい、お前ら出て行け…」
「え?なに言ってるの?祥大くん♪協力してあげたでしょ?」
「そうだよ?祥大。」

コンコン…

「はい。」