ピンポーン…

ん?インターホン?
姫ちゃんでないの??


ピンポーン…

また?
姫ちゃんわ?


ピンポーン…


「んぅー、うるさくて寝てられない…」
時計をみると、まだ6時半……
こんな朝早くから誰なの?一体…

姫ちゃんも寝てないで…って、いない!


ピンポーン…


とりあえずしつこいので、出ることにした。
「はーい。」
「春ちゃん♪」
「え?」

ドアを開けると…
千奈ちゃんとアヤメちゃんが立っていた。
「え?なんで、二人とも…」
「なんでって、ねぇ?」
「ねー♪そんな、パジャマでいつまでもいないでほら着替える着替える♪」

無理やり、ワンピースに着替えさせられた。
ぅん、いつまで立っても強引なのは変わらないなぁ……

「ねぇ?二人とも?」
「「ぅん?」」
「お久しぶりです…」
「あ、お久ぁ♪」
「本当だねー♪♪」
「帰ってきたなら連絡くれればいいのに…」
「「あ、ごめんね?」」

なんか、さっきからハモってる…
妙に仲良くない?この2人…


♪〜♪♪〜♪〜〜

あ…
携帯なってる…
ディスプレイには【姫ちゃん】と出ていた。

「はい、もしもし。」
『春!ごめん!わたし先に、お母さんとこ行っちゃった!!』
「ぇ?はやくない??」
『ほんと、ごめん!』
「いや、別にいいけど…」
『ありがとね! じゃ、ばいばいー!……ひめ…ゃくしろ……わかってるってば!春に聞こえるでしょ?…あ、切れてなかった!』

プツ…

…ぇ?聞き間違え?
いや、聞き間違えるわけない…
だって、今の声…祥大の声だった…
それに、姫ちゃんが…
わたしに聞こえるでしょ?って…

どーゆーこと??
まさか、2人とも付き合ってるの?


「春ちゃん?」
「あ、ごめんね!アヤメちゃん!で、どこ行くの??」
「それは、ひ、み、つ♪」

アヤメちゃんも千奈ちゃんもわたしの手を引っ張って豪華な車に乗せた。


「んふふ♪」
アヤメちゃん楽しそう……

わたしは、全然楽しくなんかない。
姫ちゃんのこと…姫って呼んでた……
早くしろって…
明らかに姫ちゃんも焦ってた…

お母さんのとこなんて嘘じゃん……


「おーい!春ちゃん??」
「あ、ごめんね!千奈ちゃんなにー?」
「これ、飲んで??」
「ぇ?」
差し出されたのは…薬?

「顔色悪いから…」
「あ、ありがとう!」
その薬を飲むと…

クラッ…

ぇ?
なんか、急に睡魔が…
視界がぼやけて、わたしは眠りについた。
最後に見えたのは、千奈ちゃんとアヤメちゃんの嬉しそうな笑顔…