「あのさ、俺…赤城の彼氏にさめっちゃ喧嘩売ってさ…ガキみたいなことして、本当にごめん!」
…こんなに必死に誤ってくれてる瑞稀くんを許さなくちゃいけないんだと思う。

「許されることじゃないかも、しんないけど…まじごめん。」

けど…

「ほんと、許されることじゃないよ…」
そう言ったわたしの声は、細く酷く震えていた。
けど、わたしの声は止まらなかった…
「あのね、祥大に捨てられちゃったの…大好きだったのに…連絡もつかないの……大好きな声も…なにもかも全部…瑞稀くんに奪われちゃった…」
言い終わると、わたしの目からは涙が溢れた。

「赤城…ごめん。」
「瑞稀くん、わたしこそ…ごめんなさい。瑞稀くんは、悪くないんだょ。」
…ほんとに、そうだ。
わたしがあの時…ついてきてと頼まなければ…済んだ話だから。
「けど…」
「ほんとに、八つ当たりしてごめんね。捨てられたのはわたしの力不足。」
「…んなこと、ないよ。赤城は、すごくいいやつだ。きっと、赤城の彼氏もわかってるよ…」
あんなに、ひどいこと言ったのに…
瑞稀くんは笑ってそう言ってくれた。
ほんと、瑞稀くんには悪いことしたな…

「瑞稀くんありがとう。」
「うん…がんばれよ。」

瑞稀くんは、そういうとカフェから出て行った。


姫ちゃんに報告しなくちゃなぁ…

『プルルル…プルルル…』
…呼び出し音がすごく、心に響く。
そして、長く感じる。


『はい?春?』
「うん、瑞稀くんとは…とりあえず仲直りした…」
『おぉー!よくがんばったね!春ぅー!今からカフェ行くね!』

プツ…

…一方的に切られた……
姫ちゃんらしい……


「あのぉ、お客様?コーヒーのおかわりいかがですか?」
定員のおねぇさんの一言で我に返った。
冷めたコーヒーを一気飲みして…わたしはもう一杯コーヒーを頼んだ。
「あ、お願いしますっ」
四回目のコーヒーのおかわり…
ちょっと恥ずかしかった…

けど、さっきの時よりも気持ちが軽くなってたのがわたしにはわかった。


「ごゆっくりどうぞ♪」
定員のおねぇさんは、にっこりと笑うと文句一つ言わず厨房に戻っていった。


カランカラン…

「はるー!」
…ちょっと、叫ばれたら恥ずかしいんですけど…////