瑞稀くんと会う約束をしたのは、
5時半…けど、今は6時。
約束から三十分も経っている…。

ちなみに、わたしは20分から来ているから40分間…昨日のカフェで1人で待たされてることになる。

「あの、コーヒーのおかわりいかがですか?」
「あ、お願いします。」
この店員さんは何度わたしにそう問いかけてきただろう。
同じ笑顔で……優しい口調…
なぜか、落ち着いた。

コーヒーのお代わりなんて…
三回程した…
だって、喉がカラカラになって…

普段、コーヒーを飲まない私にとって…
すごく苦くて…飲めるものではなかったけど…

祥大の大好きなブラックコーヒー…
わたしの煎れたコーヒーが一番好きだっていってくれた…
インスタントコーヒーなのにね…

ここのコーヒーは、インスタントコーヒーじゃないかもしれない。
けど、わたしにとってはブラックコーヒーは祥大の飲み物。
だから、今日はブラックコーヒーがいいんだ……



カランカラン…


「赤城!ごめん、待たせた。」
「大丈夫…」
「赤城、あのさ…」
「待って。瑞稀くん、なんか頼みなよ。」
さすがに、わたしだけ飲み物を飲んでるのは…悪い気がした。
「じゃ、じゃ…この子と一緒の…」
「やめて。違うやつにして。」
「あ、そっか…じゃ、紅茶で。」
「かしこまりました。」
…なにいってんだろ。
違うものにしてって…わたしだけの飲み物じゃないのに…瑞稀くんにも選ぶ権利はあるのに……
けど、なんだか…今は瑞稀くんに飲んでもらいたくない。


「でさ、赤城…」
「………」
「ごめん。」
「…ぇ?」
わたしには、わからなかった…
瑞稀くんのいきなりの謝罪したことが…