ピンポーン…

瑞稀くんとの、通話が終わって間も無く…家のインターホンが鳴った。

「はい…」
「うちうち!姫だよ!」
「あ、姫ちゃん!?はやいね?!」
電話して、まだ30分しかたってないのにもう来た。
けど、いつもしっかりとしているお団子が今日は乱れていた。
きっと、姫ちゃんは走ってわたしのところへ来てくれたんだと思う…

「もぉ、春どうしたのさ?」
「姫ちゃん…わたし…わたし…」
姫ちゃんをみるとまた涙が溢れて来た。
そんな、わたしを姫ちゃん優しく抱きしめてくれた。
その、腕の中は優しく暖かく…懐かしく思えた。
全然違う体つきだけど…
その行動は同じ。
祥大がよくわたしにしてくれたことだ…
姫ちゃんの優しさが心に響き…
わたしは、大泣きした。


「春、一からゆっくり話して?」
「あのねっ…ひっく……瑞稀くんと…ひょっぴんぐ…センター…ひっく……に…いったらね…祥大がね………来たの…そしたら…ひっく…怒っちゃったのー…」
全然ダメだ…
こんなわかりづらい説明幼稚園でもしない…
けど、言葉にできなくて…
言葉にならなくて…

「とりあえず、落ち着こうか…」
「ひっく…」
泣いてばかりいるわたしに優しく接してくれる…

わたしは、ゆっくりと…
話し始めた…

最初から全部…嘘なんてない。


「ふぅ…春っ!あのさ、瑞稀ってやつが悪いんじゃないの?!とにかく、祥大くんが可哀想!瑞稀ってやつ、春に気があるようにしか思えないよ?!」
勢いよくわたしに言って来た。
瑞稀くんが、わたしに気がある?
そんなわけないじゃん…
瑞稀くんは、わたしが付き合ってること知ってるし…

「ねぇ春!もっかい、瑞稀くんとあって!」
「ぇ?瑞稀くんと?」
そんなの、無理だよ。
顔も合わせたくなぃのに…
会って話しするのは無理だよ…
わたし、瑞稀くんになにするかわかんないよ…

「そう!海くんはわたしが預かるから!」
「けど…」
いつものちゃらんぽらんの姫ちゃんじゃない…(←失礼…w)
今日はなんか、まじめな目をしていた。
「いいからっ!」
「は、はい…」

と、半ば強引に…
瑞稀くんと会うことになった。