「姫ちゃーん…」
放課後…姫ちゃんと近くの喫茶店へきていた。

「あれー?イケメンの彼氏が家にいるのに嬉しそうじゃないじゃなーい?」
姫ちゃんは、にやにや笑いながらわたしをバカにしてくる。

「だってー…」
「なしたのぉー?」
姫ちゃんは、なんだかんだで…わたしの相談に乗ってくれる…
見た感じは、チャラいけど…中身はすっごく乙女で…下手したらわたしより乙女かもしれない…

って、今はそれどころじゃない…
「…祥大、わたしと結婚する気あるのかなぁ?」
「?!」
「え?わたし変なこと言った?」
「ううん!なんでもぉー!」
すごい、挙動不審の行動で…
このわたしにでも、なにか隠してることがわかった。

「ねぇねぇ!そんなことより…春がウェディングドレス着るならどれがいいのー?」
いきなりの質問にわたしはびっくり。
まさか、祥大が遠回しに聞けって姫ちゃんに言ったのかな?
「私が着るならこれなんだけど…春はー?」
「えっ?あー…これかなぁー?」
わたしが、指をさしたウェディングドレスは…純白のレースが多めのかわいいドレス…
「やっぱりかぁー♪春らしいー!」
「それは、どーもー。…にしても、いきなりどうしたのー?」
「心理テストだよっ!…このドレスを選んだあなたは…近々いいことが起きるでしょう。だってー!よかったじゃん!春っ♪」
な、なんだぁ…
祥大に頼まれた訳じゃないのかぁ…

「いいこと起こるかなぁ…?」
「あ、じゃ…バイトだから行かないと!彼氏くんによろしく言っといてー!ばいばい!」
姫ちゃんは、サッサと喫茶店からでていってしまった。

「赤城ー。」
この声は…
「瑞稀くん!」
この人は、わたしにはちみつの入浴剤をくれた隣のクラスの友達…。