「祥大っ、ここ高そうだよっ?」
「あぁ。」
………
…………
……………
「祥大っ?ここ高そうだよ?」
「…しつこい。」
「すいません。」
わたしがしつこく聞くのには理由がある…
ここは、とある高級ホテルの屋上レストランなんです。
夜景が綺麗で、静かにバイオリンの音が流れて…どこを見てもカップルばっかり。
どこをどう見ても高そうなんです。
わたし、そんなお金ないし…

「はぁ…食えって。金は俺払うし。」
「いやいやっ、」
「じゃ、払えんの?」
それは、それは…
「無理ですっ…」
「だろ?お前は黙って払われてればいいの。」
悔しいけど…
「ありがとうございます。」
「ふてくされんな。」
「別に、ふてくされてないもーんっ!」
…さてさてさてさてーっいただきますかぁっ♪
「…パクっ……お、おいひぃぃっ」

パシャ

「ふぇ?」
「写メ撮ったー。」
「…消してっ!」
「やーだ。お前、本当にうまそうに食うよなー。まずい飯でもお前と食ったらうまくなる。」
「そ、そぉかなぁ?」
…って!わたしなに流されてるの?!!
「じゃ、ちょっと待ってて。」
と、祥大はどこかへ行ってしまった。
「………パク…」
トイレかな?まさか、お金なくて先に帰った?なわけないか…

なんて、考えてたら帰ってきた。
「…春樹。」
「んー?なぁに?」
「…ずっと、俺のそばにいろ。」
「……へ?」
…ずっと、そばにいろ?
………ま、まさかプロポーズ?
いやいや、プロポーズって結婚してくださいっ!っていうんでしょ?
じゃ、違うか…

「あぁ、もう。」
な、なんで祥大イライラしてるの?
「俺の嫁にしてやるよ。」
「……っ…ほ、ほんとっ?」
…や、やばい涙腺がっ…
「泣き虫。」
そういって、わたしの薬指に指輪をはめた…もちろん左手の。
シルバーのハート形の指輪にダイヤモンドがついた可愛い感じの指輪。

「か、かわいい…」
「泣き止んだか。…で?返事は?」
「…わたしを祥大のお嫁さんにしてくださいっ!」
「…仕方ねーなぁ。よし、家に帰るか。」
「う、うんっ!」