「祥大?わたしと一緒に死んで、一生一緒にいましょ?」
……こ、怖いけど…
もう限界…

パシッ

千奈さんに近づいて千奈さんのほっぺを叩いた。
「ば、ばっかじゃないの?!一緒に死んだらなにかいいことあるわけ?!二人幸せになれるわけ?たとえ、幸せになれるとしても…わたしは、わたしは…祥大を渡す気ないから。祥大と婚約?そんなの親が決めた結婚でしょ?ほんとの祥大を知ってる?知らないくせに…彼女の気でいないで!祥大の彼女はわたしだから。祥大と結婚したいなら、わたしから祥大を奪って見なさいっ!」

……い、言っちゃった…

わたしは、力が抜けてその場に座り込んだ。
「ごめんなさぃっ…ごめんなさい…私…自分に自信がなくて…婚約って名前だけで…ほんとの祥大を見ようとしなかった…知らない間に春樹ちゃんに嫉妬してたんだ…ごめんなさい……祥大。婚約破棄については、わたしからお父様たちに話しておくから…」
「千奈さん…わたしね?恋する女の子の気持ちはわかるから……友達にならない?」
「は?春樹?」
祥大に近づいた。
祥大に包丁を向けた。
わたしにひどいことした。
でも…仲良くなれる気がするの…
「…春樹ちゃんっ…」
「もしよかったら…ね?」
「よろしくお願いしますっ…」
「よろしくね?千奈ちゃんっ♪」
千奈ちゃんのおかげで気づいたこともある…
「じゃぁな、千奈。」
「ばいばい。祥大…」

こうしてわたしたちは、千奈ちゃんの大きな家をあとにした…


「なぁ…春樹。なんで千奈と友達になったんだよ。」
「だって…」
「ま、お前らしいけど…ありがとな。」
「えっ///」
あの意地悪な祥大が…ありがとうって?
今日は、特別な日だなー。

「さっきの。」
「え?」
「お前から俺は奪えねぇよ。」
「…////」
「赤いから…」
当たり前でしょ!
そういうこというからっ///
「てか、お前…よく包丁持ってるやつに近づけたな。」
「あ…忘れてたっ…」
「は?…ほんと危なかしすぎ…」
と、わたしの唇にそっと…キスを落とした。
「バカ…////」
「は?」
意地悪な彼には勝てませんっ…