とうとう授業がはじまっちゃったよ。
授業開始から20分後…。
教室の扉が独特の音をたてて開く。
『すみませんっ遅れた。』
山啓だっ!
『山村〜!先生に向かってタメ語はないだろう。席は見てきたか?』
あっ!山啓が、あたしに向かってなんか口パクでしゃべってる。
リップ、ちょうだい…?
そーいうことねっ!
あたしも、わかったと口パクでかえす。
『ん?山村なんだ?』
先生が勘違いをしている。
『なんでもないです』
すかさず山啓が答える。
ウケるしーっ
『そうか?まあいいや、とりあえず席に着け』
山啓があたしの足をふんだ。
あたしは山啓をにらむ。
山啓もにらみ返してくる。
こ、こわい…。
そのやりとりをしてから山啓は席に着いた。

授業の1時間目が終わり、放課になる。
山啓があたしの前に来た。
『リップ』
そう言って、手を出す。
「はいはい」
ゴソゴソとあたしはカバンをさばくる。
『ありがとな』
お礼を言って、あたしに微笑みかける。
……この笑顔にあたしは弱い。
「う、うん」
あたし顔真っ赤だよ…。
山啓はあたしの前から立ち去る。
2時間目が始まる。
あたしはチラチラと後ろの山啓を見る。授業なんか集中できるはずがない。
そんなこんなで2時間目が終わる。
そうすると、こうたがあたしのところに来て、
『お前、山村の方を見て顔赤くなってたぞ!』
げげっ
「そんなことないって〜。」
そう言って、あたしはしゅらばっくれた。
『そうか〜?恋の悩みなら、このこうた様に相談しろよな!』
ほっ
「頼れねえ〜」
『そういうこと言うなって』

そんなこんなで今日が終わった。